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酔古堂剣掃 / 集素・麈を揮ひて但だ青山を說く

虛堂留燭,抄書尚存老眼;有客到門,揮麈但說青山。

新字:虚堂留燭,抄書尚存老眼;有客到門,揮麈但説青山。

書き下し

虛堂に燭を留め、書を抄して尚ほ老眼を存す。 客有りて門に到れば、麈を揮ひて但だ青山を說く。

現代語訳

がらんとした広間に灯火を残し、書物を書き写して、老いた目をなお働かせています。客が門を訪ねて来れば、払子を振りながら、ただ青い山の話ばかりをします。

解説

老年の文人の静かな日常を、夜の独り時間と来客の時間の二つの場面で描いた一則です。虛堂は人気のない広間、抄書は書物を筆で書き写すことです。老眼をなお使って写本を続ける姿に、学びを手放さない気概がうかがえます。麈は大鹿の尾で作った払子で、魏晋の名士が清談のときに手にした道具です。客と語るのは世間の損得ではなく青山、すなわち山水の話だけというところに、俗事から距離を置いた人柄が表れています。年を重ねても学び続け、人と会えば噂話でなく好きなものを語る、そんな老い方の手本と言えるでしょう。

この章句が説くこと

読書隠逸閑適学問老境

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