酔古堂剣掃 / 集素・人生古より七十少なり
人生自古七十少,前除幼年後除老。中間光景不多時,又有陰晴與煩惱。到了中秋月倍明,到了清明花更好。花前月下得高歌,急須漫把金樽倒。世上財多賺不盡,朝里官多做不了。官大錢多身轉勞,落得自家頭白早。請君細看眼前人,年年一分埋青草。草裏多多少少墳,一年一半無人掃。
新字:人生自古七十少,前除幼年後除老。中間光景不多時,又有陰晴与煩悩。到了中秋月倍明,到了清明花更好。花前月下得高歌,急須漫把金樽倒。世上財多賺不尽,朝里官多做不了。官大銭多身転労,落得自家頭白早。請君細看眼前人,年年一分埋青草。草裏多多少少墳,一年一半無人掃。
書き下し
人生古より七十少なり、前に幼年を除き後に老を除く。 中間の光景多時ならず、又陰晴と煩惱と有り。 中秋に到了すれば月倍明らかに、清明に到了すれば花更に好し。 花前月下に高歌するを得ば、急ぎ須らく漫に金樽を把りて倒すべし。 世上の財多くして賺ぎ盡くさず、朝里の官多くして做し了らず。 官大に錢多くして身轉た勞し、落ち得たり自家の頭白くなること早きを。 請ふ君細かに眼前の人を看よ、年年一分青草に埋もる。 草裏多多少少の墳、一年一半人の掃く無し。
現代語訳
人生で七十まで生きる人は昔から少ないものです。前から幼い年月を除き、後ろから老いた年月を除けば、その間の時間はいくらもありません。そのうえ晴れの日も曇りの日も、悩みごともあります。中秋になれば月はひときわ明るく、清明になれば花はいっそう美しい。花の前、月の下で声高らかに歌えるなら、さっさと金の酒樽を傾けて飲み干すべきです。世の中の財はいくら稼いでも稼ぎ尽くせず、朝廷の官職はいくら務めても務め終わりません。官位が高く金が多ければ、身はますます苦労し、行き着く先は自分の頭が早く白くなることだけです。どうか目の前の人々をよく見てください。毎年その何割かが青草の下に埋もれていきます。草むらには大小さまざまな墓がありますが、一年もたてば半分は掃除する人もいなくなります。
解説
この章句が説くこと
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