酔古堂剣掃 / 集素・巾を脫ぎて項を露はす
脫巾露項,斑文竹籜之冠;倚枕焚香,半臂華山之服。
新字:脱巾露項,斑文竹籜之冠;倚枕焚香,半臂華山之服。
書き下し
巾を脫ぎて項を露はす、斑文竹籜の冠。 枕に倚りて香を焚く、半臂華山の服。
現代語訳
頭巾を脱いでうなじをあらわにし、まだら模様の竹の皮の冠をかぶります。枕に寄りかかって香を焚き、華山の隠者のような半袖の上着をまといます。
解説
隠者のくつろいだ身なりを描いた対句です。巾は頭を包む布、項はうなじです。脱巾露項は、改まった装いを解いて楽な姿になることを言います。斑文竹籜の冠は、まだらの模様のある竹の皮で作った冠で、素朴な隠者の持ち物です。半臂は袖の短い上着のことです。華山は陝西省の名山で、宋初の隠者陳摶が住んだことで知られ、華山の服は隠者や道士の衣服を思わせます。身なりを楽にし、香を焚いて枕にもたれるという、肩の力を抜いた時間が浮かびます。家に帰ったら服を着替えて気持ちを切り替えるように、身なりを変えることは心を解くことにつながります。
この章句が説くこと
隠逸閑適身なり休息香
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