酔古堂剣掃 / 集素・梧に據りて吟じ茶を烹て語る
編茅為屋,疊石為階,何處風塵可到;據梧而吟,烹茶而語,此中幽興偏長。
新字:編茅為屋,畳石為階,何処風塵可到;拠梧而吟,烹茶而語,此中幽興偏長。
書き下し
茅を編みて屋と為し、石を疊みて階と為す、何處にか風塵到るべき。 梧に據りて吟じ、茶を烹て語る、此の中の幽興偏へに長し。
現代語訳
茅を編んで屋根とし、石を積んで階段とした住まいには、世間の塵ほこりがどこから入り込めましょう。青桐に寄りかかって詩を吟じ、茶を煮て語り合えば、この中の奥ゆかしい興趣はひときわ長く続きます。
解説
手作りの素朴な住まいと、そこでの静かな楽しみを描いた対句です。編茅為屋は茅を編んで屋根を葺くこと、畳石為階は石を積んで段を作ることです。風塵は世間の煩わしさや俗塵のことです。拠梧而吟は、『荘子』斉物論や徳充符篇に見える、恵子が青桐の木に寄りかかって論じたという言葉を踏まえています。幽興は奥深い興趣、偏長はひときわ長いことです。粗末な住まいであればこそ、世俗の名利を持ち込む人も訪れず、心ゆくまで詩と茶と語らいを楽しめるのです。住まいの豪華さではなく、そこで過ごす時間の質が大切だと気づかせてくれます。
この章句が説くこと
隠逸清貧住まい茶閑適
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