酔古堂剣掃 / 集素・雪に和して梅花を嚼む
和雪嚼梅花,羨道人之鐵腳;燒丹染香履,稱先生之醉吟。
新字:和雪嚼梅花,羨道人之鉄脚;焼丹染香履,称先生之酔吟。
書き下し
雪に和して梅花を嚼む、道人の鐵腳を羨む。 丹を燒きて香履を染む、先生の醉吟を稱す。
現代語訳
雪と一緒に梅の花を噛む。そんな鉄脚道人をうらやましく思います。丹薬を焼いてその香りを履物に染み込ませる。そんな酔吟先生をたたえます。
解説
風変わりな二人の隠者の姿を並べた対句です。鉄脚道人は明代に伝わる奇人で、裸足で雪の中を歩き、梅の花を雪と一緒に噛んで、その香りを腹の中にしみ込ませたいと言ったと伝えられます。酔吟先生は唐の白居易が晩年に名乗った号で、酒と詩を愛して洛陽で悠々と暮らしました。焼丹は仙薬を練ることで、白居易にも煉丹を試みたことを詠んだ詩があります。いずれも世間の目から見れば奇矯な振る舞いですが、自分の好きなものにとことん打ち込む純粋さがあります。人目を気にせず、自分なりの楽しみ方を貫く姿は、窮屈な日常にいる私たちに、ある種の憧れを誘います。
この章句が説くこと
隠逸風雅梅白居易奇人
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