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酔古堂剣掃 / 集素・墨は日を見れば色灰す

茶見日而味奪,墨見日而色灰。

書き下し

茶は日を見れば味奪はれ、墨は日を見れば色灰す。

現代語訳

茶は日光に当たると味が損なわれ、墨は日光に当たると色が灰のようにくすみます。

解説

茶と墨という文人の二つの愛用品が、ともに日光を嫌うことを述べた一則です。奪は損なわれること、灰は色が灰色にくすむことです。茶葉は光と熱で香りや味が落ちやすく、墨も日に当てると膠が傷み、ひびが入ったり艶が失われたりするとされます。少し前に茶と墨の正反対の性質を並べた句がありましたが、ここでは両者に共通する弱点を示しています。大切なものは、しまい方ひとつで価値を失います。物に限らず、人の才能や信用も、むやみに人目にさらし続けると損なわれることがあります。表に出すものと、奥にしまって守るものを見分ける知恵にも通じる一則です。

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