酔古堂剣掃 / 集素・茶は新しきを欲し墨は陳きを欲す
茶欲白,墨欲黑;茶欲重,墨欲輕;茶欲新,墨欲陳。
新字:茶欲白,墨欲黒;茶欲重,墨欲軽;茶欲新,墨欲陳。
書き下し
茶は白きを欲し、墨は黑きを欲す。 茶は重きを欲し、墨は輕きを欲す。 茶は新しきを欲し、墨は陳きを欲す。
現代語訳
茶は白いのがよく、墨は黒いのがよい。茶は重いのがよく、墨は軽いのがよい。茶は新しいのがよく、墨は古いのがよいのです。
解説
文人が愛した茶と墨とを、正反対の性質で対比した一則です。宋代の茶は茶葉を粉にして点てたので、泡の白いものが上等とされました。茶の重いは葉が詰まって質がよいこと、墨の軽いは膠がよく枯れて質がよいことを言います。茶は新茶が香り高く、墨は年を経るほど膠が落ち着いて発色がよくなるとされます。宋の司馬光が蘇軾に、茶と墨はことごとく反対だと語り、蘇軾が、どちらも香り高く堅いところは同じだと応じた話が伝わります。ものにはそれぞれ最もよい状態があり、一つの物差しで測れないことを教えてくれます。人にも、早く輝く人と年を経て味の出る人がいるものです。
この章句が説くこと
風雅茶墨個性文房
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