酔古堂剣掃 / 集靈・爭務短ければ則ち日月長し
耳目寬則天地窄,爭務短則日月長。
新字:耳目寛則天地窄,争務短則日月長。
書き下し
耳目寬なれば則ち天地窄く、爭務短ければ則ち日月長し。
現代語訳
見聞きするものに心を広げすぎると、かえって天地は狭く感じられます。争いごとや忙しい務めを短く切り詰めれば、月日は長く感じられます。
解説
外に向かう心と、内に保つゆとりとの関係を言った一則です。耳目寛とは、見るもの聞くものに次々と心を奪われる状態を指すと読めます。そうなると心が外に振り回され、広いはずの天地も窮屈に感じられます。反対に、人と張り合うことや雑多な務めを減らせば、同じ一日でもゆったりと長く過ごせます。情報があふれる今日、知らせや噂話に耳目を開きっぱなしにしていると、時間はいくらあっても足りません。争いと用事を削ることが、時間を増やすいちばん確かな方法だと教えてくれます。

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