酔古堂剣掃 / 集靈・字意隱として行間に躍る
樹影橫床,詩思平凌枕外;雲華滿紙,字意隱躍行間。
新字:樹影横床,詩思平凌枕外;雲華満紙,字意隠躍行間。
書き下し
樹影床に橫たはり、詩思平らかに枕外を凌ぐ。 雲華紙に滿ち、字意隱として行間に躍る。
現代語訳
木の影が寝台に横たわると、詩の思いはおのずと枕の外へ高く湧き上がります。雲のような美しい文様が紙いっぱいに広がると、字の意味が行と行の間にほのかに躍り出ます。
解説
自然の景と詩文の境地を重ねた対句です。前半は、寝床に差し込む木の影に誘われて、詩情が枕辺を越えて広がっていく様子を描きます。凌ぐは、越えて高く上がることです。後半の雲華は雲のように美しい筆跡や紙面の趣を言い、書かれた字の意味が行間に生き生きと浮かぶことを述べます。行間を読むという言葉があるように、よい文章は書かれた字以上のものを伝えます。静かな時間に身を置き、心に浮かぶものを急がず受け止める余裕が、ものを書く人にも読む人にも大切だと気づかせてくれます。
この章句が説くこと
風雅詩情読書閑適行間
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