酔古堂剣掃 / 集靈・名を一時に藏し千古を尚友す
混跡塵中,高視物外;陶情杯酒,寄興篇詠;藏名一時,尚友千古。
新字:混跡塵中,高視物外;陶情杯酒,寄興篇詠;蔵名一時,尚友千古。
書き下し
跡を塵中に混じへ、視を物外に高くす。情を杯酒に陶し、興を篇詠に寄す。名を一時に藏し、千古を尚友す。
現代語訳
身は俗世の中に交えながら、まなざしは世俗の外に高く置きます。心を杯の酒で和ませ、興趣を詩歌に託します。名は今の世には隠しておき、友とするのは千年の昔の人々です。
解説
世俗の中に生きながら、心を高く保つ隠者の姿を、三組の対句で描いた一則です。混跡塵中は、あえて俗世に身を置いて目立たずに暮らすことで、高視物外は、世間の損得を超えたところに目を向けることです。陶情は心を和らげ楽しませること、篇詠は詩歌を作ることです。尚友千古は孟子に出る考えで、書物を通して古の賢人を友とすることを言います。今の世で名を求めず、古人と語り合うことで心を養うという生き方です。身近な評判や人間関係に疲れたときこそ、古典を開いて昔の人と対話することで、目先の出来事から少し離れた視点を持てるようになります。
この章句が説くこと
隠逸尚友読書閑適脱俗
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