酔古堂剣掃 / 集靈・只だ清福のみ享け難し
凡名易居,只有清名難居;凡福易享,只有清福難享。
書き下し
凡そ名は居り易く、只だ清名のみ居り難し。凡そ福は享け易く、只だ清福のみ享け難し。
現代語訳
およそ名声というものは保つのが易しいのですが、ただ清らかな名声だけは保つのが難しいのです。およそ幸福というものは受けるのが易しいのですが、ただ清らかな幸福だけは受けるのが難しいのです。
解説
清らかさを保つことの難しさを述べた一則です。清名は汚れのない清廉な評判、清福は、富や権勢によらない、静かで清らかな幸福のことで、閑適の暮らしや読書の楽しみなどを指します。ふつうの名声や幸福なら、手に入れることも保つこともそれほど難しくありません。しかし、少しの汚れもない名声を保ち続けることや、欲に染まらない清らかな幸福を味わい続けることは、とても難しいのです。それは、世間の誘惑や自分の欲がつねに清らかさを脅かすからでしょう。どんな評判を得たいのか、どんな幸せを求めるのか、その質を問い直させてくれる言葉です。
この章句が説くこと
清廉清福名利修身閑適
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