酔古堂剣掃 / 集靈・得ざれば則ち名山に藏す
藏錦於心,藏繡於口;藏珠玉於咳唾,藏珍奇於筆墨;得時則藏於冊府,不得則藏於名山。
新字:蔵錦於心,蔵繍於口;蔵珠玉於咳唾,蔵珍奇於筆墨;得時則蔵於冊府,不得則蔵於名山。
書き下し
錦を心に藏し、繡を口に藏し、珠玉を咳唾に藏し、珍奇を筆墨に藏す。時を得れば則ち冊府に藏し、得ざれば則ち名山に藏す。
現代語訳
錦のような美しさを心にしまい、刺繍のような美しさを言葉にしまい、珠玉を何気ない一言にしまい、珍しいものを筆と墨にしまいます。時を得れば朝廷の書庫に納め、時を得なければ名山にしまっておきます。
解説
すぐれた文才と、その作品の行方を描いた一則です。錦心繡口は、唐の柳宗元の言葉から出た成語で、美しい心と美しい言葉を持つ文才ある人をいいます。咳唾成珠は、何気なく口にした言葉さえ珠玉のようだという意味です。冊府は朝廷の書庫です。名山に藏すは、漢の司馬遷が史記を完成させた後、これを名山に蔵し、後世の理解者に伝えたいと述べたことに基づきます。世に認められれば公の場に残し、認められなければ後世に託す。どちらにしても、すぐれたものは必ず残るという確信があります。今評価されなくても、よい仕事は必ず誰かに届くと信じて続けたいものです。
この章句が説くこと
文才才能故事忍文章
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