酔古堂剣掃 / 集靈・人は薜を將て衣と作す
書引藤為架,人將薜作衣。
新字:書引藤為架,人将薜作衣。
書き下し
書は藤を引きて架と為し、人は薜を將て衣と作す。
現代語訳
書物は藤のつるを引いてきて本棚とし、人はかずらを衣にします。
解説
山中の隠者の暮らしを、五言の対句で描いた一則です。藤で作った書架に本を置き、薜茘というつる草を衣とするというのは、自然の中で身の回りのものをまかなう清貧な生活を表します。薜茘の衣は、楚辞の九歌で山の精霊が身にまとう姿として描かれ、以後、隠者の衣服の象徴となりました。書物だけは手放さないところに、隠者でありながら学ぶ人であるという姿勢が見えます。物にお金をかけなくても、身近な素材で工夫して暮らし、そのぶん心を書物に向けるという生き方です。持ち物を減らしても手放したくないものは何かを考えさせてくれます。
この章句が説くこと
隠逸清貧読書自然山居
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