酔古堂剣掃 / 集靈・廚冷やかにして山翠を分かつ
廚冷分山翠,樓空入水煙。
新字:廚冷分山翠,楼空入水煙。
書き下し
廚冷やかにして山翠を分かち、樓空しくして水煙入る。
現代語訳
台所は火の気もなく冷ややかで、山の緑を分けてもらい、高殿はがらんとして、水辺の靄が入ってきます。
解説
質素な山居の暮らしを、五言の詩句のように描いた対句です。廚冷は台所に火の気が少ないことで、贅沢な料理を作らない清貧な暮らしを表します。その冷えた台所に山の緑が分け入ってくるというのは、食べ物の代わりに景色で満たされていることを言うのでしょう。樓空は高殿に物も人も少ない様子で、そこへ川や湖の靄が流れ込みます。物が少ないからこそ、自然が入り込む余地があるのです。部屋を片づけて余白をつくると、窓の外の景色や光がよく感じられるようになる経験にも重なります。
この章句が説くこと
清貧自然閑適隠逸山居
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