酔古堂剣掃 / 集靈・老樹花を著く
老樹著花,更覺生機鬱勃;秋禽弄舌,轉令幽興瀟疏。
新字:老樹著花,更覚生機鬱勃;秋禽弄舌,転令幽興瀟疏。
書き下し
老樹花を著くれば、更に生機の鬱勃たるを覺ゆ。秋禽舌を弄すれば、轉た幽興をして瀟疏たらしむ。
現代語訳
老いた木が花をつけると、いっそう生命の力がみなぎっているのが感じられます。秋の鳥がさえずると、かえって奥深い興趣がさっぱりと澄んできます。
解説
老いと秋という衰えの中に、かえって生気と趣を見いだす対句です。著花は花をつけること、生機は生きる力、鬱勃は内からわき上がる様子です。若木が花を咲かせるのは当たり前ですが、老木が花をつけると、その力がいっそう強く感じられます。弄舌は鳥がさえずること、瀟疏はさっぱりとして清らかな様子です。春の鳥のにぎやかな声とは違い、秋の鳥の声は静けさを際立たせます。年齢を重ねてから始めたことや、盛りを過ぎた季節の楽しみにも、若い時にはない味わいがあるという励ましとして読むことができます。
この章句が説くこと
自然老境風雅生命閑適
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