酔古堂剣掃 / 集靈・自ら冰炭の胸中に到る無し
不作風波於世上,自無冰炭到胸中。
書き下し
風波を世上に作さざれば、自ら冰炭の胸中に到る無し。
現代語訳
世の中で波風を立てなければ、自然と胸の中に氷と炭のような激しい葛藤が入り込むこともありません。
解説
外で争いを起こさなければ、内の心も乱れないと説く対句です。風波は世間の争いやもめごと、冰炭は氷と炭で、相容れないもの、また心の中で冷たさと熱さがせめぎ合う苦しみのたとえです。人と争えば、勝っても負けても、怒りや不安や後悔が胸に残ります。争いの種をまかないことが、そのまま心の平安につながるというのです。外の世界と内の心が鏡のように響き合うという見方が、この句の要です。職場や家庭で、言わなくてもよい一言を飲みこむことが、後で自分の心を守ることになる場面は多いものです。
この章句が説くこと
処世心境忍平安争い
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