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酔古堂剣掃 / 集靈・史を讀むには訛字に耐ふるを要す

讀史要耐訛字,正如登山耐仄路,蹈雪耐危橋,閒居耐俗漢,看花耐惡酒,此方得力。

新字:読史要耐訛字,正如登山耐仄路,蹈雪耐危橋,閒居耐俗漢,看花耐悪酒,此方得力。

書き下し

史を讀むには訛字に耐ふるを要す、正に山に登りて仄路に耐へ、雪を蹈みて危橋に耐へ、閒居して俗漢に耐へ、花を看て惡酒に耐ふるが如くして、此れ方に力を得。

現代語訳

歴史書を読むには誤字に耐えることが必要です。ちょうど山に登って険しい細道に耐え、雪を踏んで危ない橋に耐え、閑居して俗な男に耐え、花見でまずい酒に耐えるのと同じで、そうしてはじめて得るところがあります。

解説

楽しみには付きものの不快があり、それに耐えてこそ実りがある、と説く一則です。昔の史書は写本や版木を重ねるうちに誤字が多くなり、読みにくいものでした。それにいちいち腹を立てていては、肝心の史実を味わえません。編者は、山道の険しさ、雪の日の危うい橋、閑居に訪れる俗人、花見のまずい酒をたとえに重ねます。どれも良いものを得るために我慢すべき小さな不都合です。得力は効き目が出る、身につくという意味です。仕事でも趣味でも、完璧な条件を待っていては何も始まりません。多少の欠点を受け流す度量が、深い楽しみに近づく道だと教えています。
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この章句が説くこと

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