酔古堂剣掃 / 集靈・一番寒さ骨に徹するにあらずんば
不是一番寒徹骨,怎得梅花撲鼻香。念頭稍緩時,便宜莊誦一遍。
新字:不是一番寒徹骨,怎得梅花撲鼻香。念頭稍緩時,便宜荘誦一遍。
書き下し
是れ一番寒さ骨に徹するにあらずんば、怎ぞ梅花の鼻を撲ちて香るを得ん。念頭稍や緩む時、便ち宜しく莊誦すること一遍すべし。
現代語訳
ひとたび骨身にしみる寒さを経なければ、どうして梅の花が鼻をうつほど香ることがあるでしょうか。心が少しゆるんだときには、すぐにこの句を姿勢を正して一度唱えるべきです。
解説
厳しい寒さを越えてこそ梅は香る、という有名な句に、編者の勧めを添えた一則です。前半の二句は、唐の禅僧黄檗希運の作と伝わる偈の結びとして広く知られています。怎は口語で「どうして」の意です。苦しい修行や試練を経てこそ、人は深い香りを放つようになるというたとえです。後半では、心がたるんだと感じたら、この句を改まって唱えよと勧めています。座右の銘として使う方法まで示している点が実用的です。仕事で壁にぶつかっているときこそ、自分の香りが育っている時期だと受けとめる支えになる言葉です。
この章句が説くこと
忍耐修行立志鍛錬梅花
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