酔古堂剣掃 / 集情・梅花と寶籹を鬭はさんと欲す
欲與梅花鬭寶籹,先開嬌艷逼寒香,只愁冰骨藏珠屋,不似紅衣待玉郎。
新字:欲与梅花闘宝籹,先開嬌艶逼寒香,只愁冰骨蔵珠屋,不似紅衣待玉郎。
書き下し
梅花と寶籹を鬭はさんと欲し、先づ嬌艷を開きて寒香に逼る、只だ愁ふ冰骨の珠屋に藏れて、紅衣の玉郎を待つに似ざるを。
現代語訳
梅の花と宝のような装いを競おうとして、先に艶やかな花を開き、梅の冬の香りに迫ります。ただ気がかりなのは、氷のように清らかな骨格の梅が珠の館に隠れてしまい、紅い衣でいとしい人を待つ姿とは似ていないことです。
解説
冬に咲く艶やかな花と梅とを、女性の装いの競い合いに見立てた七言の四句です。寶籹(宝粧)は宝玉で飾った化粧、寒香は寒中に香る梅の香り、冰骨は氷のように清らかで凛とした梅の姿を言う言葉です。紅衣は紅い衣、玉郎は美しい若者で、恋しい男性を指します。梅に負けまいと先に咲く花の華やかさと、奥にこもって凛とした梅の清らかさとを対照させ、同じ冬の花でも、人を待つ艶やかさと、ひとり高く保つ気品とは別ものだと詠んでいるとみられます。華やかさと気品、どちらにもそれぞれの美しさがあります。自分がどちらに惹かれるかを考えてみるのも面白いでしょう。
この章句が説くこと
梅艶麗気品冬詩情
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