酔古堂剣掃 / 集靈・有分の功名も夢中の蝴蝶
無端妖冶,終成泉下骷髏;有分功名,自是夢中蝴蝶。
書き下し
端無き妖冶も、終には泉下の骷髏と成り、分有る功名も、自ら是れ夢中の蝴蝶なり。
現代語訳
このうえなく艶やかな美しさも、最後には黄泉の下のしゃれこうべとなり、身の程に応じて得た功名も、もとより夢の中の蝶のようなものです。
解説
美しさと功名のはかなさを、鋭く突きつけた対句です。端無きは限りない、この上ないの意、妖冶は艶やかな美しさです。泉下は黄泉の国、骷髏はしゃれこうべです。分有るは、自分の分に応じて与えられた、という意味で、功名は手柄と名声です。夢中の蝴蝶は、荘子が蝶になった夢を見て、自分が蝶なのか蝶が自分なのか分からなくなったという胡蝶の夢の話で、人生そのものが夢のようにはかないことをいいます。美も名声もいずれは消えてしまうと知れば、それらに執着して心を乱すことは少なくなります。はかないと知った上で、今をどう生きるかが問われているのです。
この章句が説くこと
無常執着荘子功名美
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