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酔古堂剣掃 / 集峭・夢蝶を以て之を視る

身世浮名,餘以夢蝶視之,斷不受肉眼相看。

新字:身世浮名,余以夢蝶視之,断不受肉眼相看。

書き下し

身世の浮名、餘は夢蝶を以て之を視、斷じて肉眼の相看るを受けず。

現代語訳

この身の境遇や世間の浮ついた名声を、私は荘子が夢で蝶になった話のように、はかないものと見ています。決して俗な目で見られることは受け入れません。

解説

名声や境遇へのとらわれを、荘子の胡蝶の夢で突き放した一則です。身世は自分の身の上と世の中での境遇、浮名は実質のない世間の評判です。夢蝶は『荘子』斉物論に見える話で、荘周が夢で蝶になり、目覚めてから、自分が蝶の夢を見たのか蝶が自分の夢を見ているのか分からなくなったというものです。肉眼は、仏教で言う天眼や慧眼に対し、ものの表面しか見ない凡人の目のことです。名声も境遇も夢のようなものと見切ったうえで、俗な尺度で自分を測られることは断じて拒む、という誇り高い態度です。評判に一喜一憂しがちな日々に、少し距離を置く視点をくれる言葉です。

この章句が説くこと

名声胡蝶の夢荘子超俗処世

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