酔古堂剣掃 / 集靈・只だ來りて竹を種ゑ花に澆がん
眉上幾分愁,且去觀棋酌酒;心中多少樂,只來種竹澆花。
新字:眉上幾分愁,且去観棋酌酒;心中多少楽,只来種竹澆花。
書き下し
眉上に幾分の愁ひあらば、且く去りて棋を觀酒を酌み、心中に多少の樂しみあらば、只だ來りて竹を種ゑ花に澆がん。
現代語訳
眉のあたりに少し憂いがあるときは、ひとまず出かけて碁を眺め、酒を酌み交わしましょう。心の中にいくらか楽しさがあるときは、ただやって来て竹を植え、花に水をやりましょう。
解説
気分に合わせた過ごし方を、軽やかに描いた対句です。憂いがあるときは、碁を観戦したり酒を飲んだりして、心を外に向けて気晴らしをします。楽しいときは、竹を植え花に水をやるような、静かで穏やかな作業に心を向けます。どちらの場合も、無理に気分に逆らわず、それぞれに合った過ごし方を選んでいるところに、心の扱い方の上手さがあります。落ちこんだときに一人で考えこむとますます沈み、浮かれたときに騒ぐと調子に乗りすぎます。気分に応じて過ごし方を切り替えるのは、今の言葉で言えば、心の手入れの知恵そのものです。
この章句が説くこと
閑適心気晴らし風雅自然
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