酔古堂剣掃 / 集峭・落葉床に半ばし狂花屋に滿つ
雲氣蔭於叢蓍,金精養於秋菊;落葉半床,狂花滿屋。
新字:雲気蔭於叢蓍,金精養於秋菊;落葉半床,狂花満屋。
書き下し
雲氣は叢蓍に蔭し、金精は秋菊に養ふ。落葉は床に半ばし、狂花は屋に滿つ。
現代語訳
雲の気は群がり生える蓍草を覆い、金の精は秋の菊の中で養われます。落ち葉は寝台の半ばまで積もり、咲き乱れる花が家いっぱいにあふれています。
解説
北周の庾信が自分の小さな庭を詠んだ小園賦の一節です。蓍は占いに使う草で、長寿の霊草とされ、その上には雲の気がかかると言われました。金精は菊の別名で、菊は不老長寿の花とされています。落ち葉が寝台の上にまで積もり、花が家じゅうに咲き乱れているのは、手入れの行き届かない、荒れた庭の姿でもあります。しかしそこには、飾らない自然のままの豊かさがあります。庾信は故国を離れて異国に仕えた人で、この賦にはその憂いもこめられています。整えすぎない自然の姿に心の安らぎを見いだす感覚は、今の庭づくりや暮らしにも通じるものです。
この章句が説くこと
自然隠逸閑適花文学
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