酔古堂剣掃 / 集峭・之を揮へば驚鴻の如し
停之如棲鵠,揮之如驚鴻,飄纓蕤於軒幌,發暉曜於群龍。
新字:停之如棲鵠,揮之如驚鴻,飄纓蕤於軒幌,発暉曜於群竜。
書き下し
之を停むれば棲鵠の如く、之を揮へば驚鴻の如し、纓蕤を軒幌に飄し、暉曜を群龍に發す。
現代語訳
それを止めて置けば、ねぐらにとまる白鳥のようで、それを振るえば、驚いて飛び立つ大きな雁のようです。飾りの房を窓の帳のあたりにひるがえし、輝きを群れなす龍の間に放ちます。
解説
手に持って振るう道具の美しさを、鳥の姿で描いた賦の一節とみられます。棲鵠はねぐらで休む白鳥、驚鴻は驚いて飛び立つ大雁で、曹植が洛神賦で女神の姿を、翩として驚鴻の若し、と表したように、軽やかで優美な動きのたとえです。纓蕤は冠や扇などに付ける飾りの房、軒幌は窓の帳です。群龍は、すぐれた人々の集まりのたとえともとれます。止まっているときの静かな気品と、動いたときの軽やかさの両方を備えているところに美があります。道具も人も、静かなときの佇まいと、動いたときの働きの両方に、その本当の姿が表れるのでしょう。
この章句が説くこと
風雅美動静文学道具
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