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酔古堂剣掃 / 集峭・風水上を行くの文

聲應氣求之夫,決不在于尋行數墨之士;風行水上之文,決不在于一字一句之奇。

新字:声応気求之夫,決不在于尋行数墨之士;風行水上之文,決不在于一字一句之奇。

書き下し

聲應じ氣求むるの夫は、決して行を尋ね墨を數ふるの士に在らず、風水上を行くの文は、決して一字一句の奇に在らず。

現代語訳

声が響き合い気が引き合うように心の通じ合う人は、決して一行ずつ字面をなぞり、墨の跡を数えるような学者の中にはいません。風が水面を渡るように自然な文章は、決して一字一句の奇抜さの中にはありません。

解説

本当の知己と本当の名文は、小手先の細かさとは別のところにあるという一則です。聲應じ氣求むは、易経の、同声相応じ、同気相求む、に基づき、気の合う者どうしが自然に引き合うことです。行を尋ね墨を數ふは、字句の細部ばかりを追う、融通のきかない学問のしかたです。風水上を行くは、易経の渙の卦のことばで、風が水面に自然にさざ波を立てるように、作為のない文章のたとえとされてきました。言葉を凝りすぎた文章は、かえって心に届きません。人との関係も文章も、細部の技巧より、全体に流れる自然な気持ちこそが相手に伝わるものです。

この章句が説くこと

文章交友自然学問知己

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