酔古堂剣掃 / 集峭・子と別れて思心徘徊す
秋露如珠,秋月如圭;明月白露,光陰往來;與子之別,思心徘徊。
新字:秋露如珠,秋月如圭;明月白露,光陰往来;与子之別,思心徘徊。
書き下し
秋露は珠の如く、秋月は圭の如し。明月白露、光陰往來す。子と別れて、思心徘徊す。
現代語訳
秋の露は真珠のようで、秋の月は玉の圭のようです。明るい月と白い露のもとで、月日は行きつ戻りつ過ぎていきます。あなたと別れてから、思いは行きつ戻りつさまよっています。
解説
これも江淹の別賦の一節で、秋の情景に別れの思いを重ねています。圭は上が尖った形の玉で、ここでは月の輝きのたとえです。明月と白露は秋の代表的な景物で、光陰往來は、月日が過ぎていくことです。徘徊は、行ったり来たりして落ち着かないことで、別れた人を思って心が定まらない様子を表しています。露も月も美しいのに、その美しさを分かち合う人がいないことで、かえって寂しさが増します。時が過ぎても消えない思いを、短い四字句の積み重ねで静かに伝えています。別れの悲しみは時とともに形を変えながら、心の中に残り続けるものです。
この章句が説くこと
別離情秋月文学
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