酔古堂剣掃 / 集峭・猛將の兵を用ふるが如し
看文字,須如猛將用兵,直是鏖戰一陣;亦如酷吏治獄,直是推勘到底,決不恕他。
新字:看文字,須如猛将用兵,直是鏖戦一陣;亦如酷吏治獄,直是推勘到底,決不恕他。
書き下し
文字を看るは、須らく猛將の兵を用ふるが如く、直だ是れ鏖戰一陣すべし。亦た酷吏の獄を治むるが如く、直だ是れ推勘して底に到り、決して他を恕さざるべし。
現代語訳
書物を読むときは、勇猛な将軍が兵を動かすように、ひと戦い激しく攻めきらねばなりません。また、厳しい役人が裁判をするように、とことん問い詰めて底まで突き止め、決して見逃してはなりません。
解説
宋の朱熹が弟子たちに語った読書の心得で、朱子語類に見える言葉です。文字を看るは書物を読むこと、鏖戰は皆殺しにするほどの激戦をいいます。酷吏は厳格な役人、推勘は取り調べて真相を突き止めることです。書物はぼんやり眺めるものではなく、全力で立ち向かい、分からないところを一つも見逃さずに追究するものだという、真剣そのものの読書論です。朱熹は、少しずつでも一字一句まで徹底的に読むことを重んじました。今は情報が多く、流し読みで済ませがちです。大事な一冊だけは、この心構えで向き合ってみる価値があります。
この章句が説くこと
読書学問集中朱子徹底
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