酔古堂剣掃 / 集峭・幾箇の知心の友を尋ぬ
種兩傾負郭田,量晴校雨;尋幾箇知心友,弄月嘲風。
新字:種両傾負郭田,量晴校雨;尋幾箇知心友,弄月嘲風。
書き下し
兩傾の負郭の田を種ゑて、晴を量り雨を校し、幾箇の知心の友を尋ねて、月を弄び風を嘲る。
現代語訳
町の外れの田を二頃ほど耕して、晴れや雨の具合を見はからい、心を知り合った友を何人か訪ねて、月を愛で風を詩に詠みます。
解説
ささやかな田と数人の友があれば十分だという、満ち足りた暮らしの理想を描いた一則です。負郭の田は町の城壁の近くにある良い田で、戦国時代の蘇秦が、もし洛陽の近くに田が二頃あったら、六国の宰相の印を帯びるような苦労はしなかっただろうと言った話で知られます。傾は頃のことで、田の広さの単位です。晴を量り雨を校すは、天気を気にかけて農事にいそしむこと、月を弄び風を嘲るは、風流を楽しむことです。大きな富や名声がなくても、自分で食べる分をまかない、語り合える友がいれば人生は豊かです。何が自分にとっての足りる量かを知ることが、心の平安につながります。
この章句が説くこと
知足交友閑適農事風雅
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