酔古堂剣掃 / 集峭・力めて擔當し善く擺脫す
宇宙內事,要力擔當,又要善擺脫。不擔當,則無經世之事業,不擺脫,則無出世之襟期。
新字:宇宙内事,要力担当,又要善擺脱。不担当,則無経世之事業,不擺脱,則無出世之襟期。
書き下し
宇宙の內の事は、力めて擔當するを要し、又た善く擺脫するを要す。擔當せざれば、則ち經世の事業無く、擺脫せざれば、則ち出世の襟期無し。
現代語訳
この世の事柄は、力を尽くして引き受けることが必要であり、また上手に振りほどくことも必要です。引き受けなければ世を治める事業は生まれず、振りほどかなければ世俗を超えた胸の内は得られません。
解説
引き受ける力と、手放す力の両方が要ることを説いた一則です。宇宙內事は天地の間の事、つまり世の中の務めのことです。擔當は責任を担って引き受けること、擺脫は束縛や執着を振り払って抜け出すことです。經世は世を治め人を救うこと、出世はここでは世俗を超え出ること、襟期は胸の内の抱負や境地を言います。責任を引き受けなければ何も成し遂げられませんが、抱え込むばかりでは心が押しつぶされ、大局も見えなくなります。担うべきときは全力で担い、手放すべきときはさっぱりと手放すことで、仕事と心の自由を両立できるのです。忙しさに飲まれそうなとき、何を担い何を手放すかを整理したくなる句です。
この章句が説くこと
担当放下経世処世平衡
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