酔古堂剣掃 / 集峭・玄豹は山間に日月を偕にす
霧滿楊溪,玄豹山間偕日月;雲飛翰苑,紫龍天外借風雷。
新字:霧満楊渓,玄豹山間偕日月;雲飛翰苑,紫竜天外借風雷。
書き下し
霧は楊溪に滿ち、玄豹は山間に日月を偕にし;雲は翰苑に飛び、紫龍は天外に風雷を借る。
現代語訳
霧が楊の茂る谷川に立ちこめ、黒い豹は山あいで歳月を過ごしながら身を隠しています。雲が翰林の苑に飛び、紫の龍は天の彼方で風と雷の力を借りて昇ります。
解説
世に隠れて力を養う時と、時を得て飛躍する時とを、豹と龍で対にした句です。玄豹は、『列女伝』に見える「南山の玄豹」の話を踏まえます。霧雨の中で七日も食べずに山にこもるのは、毛並みを潤して美しい模様を育て、害を避けるためだとされ、隠れて自己を磨く賢者のたとえとなりました。翰苑は文人の集まる翰林院のような場で、紫龍が風雷を借りて天に昇るのは、才ある者が時運を得て世に出るさまです。隠れて力を蓄える時期があってこそ、機会が来たときに大きく飛べるのです。目立たない時期をどう過ごすかが、その後を決めます。今が霧の中の時期であっても、焦らず力を養いたいものです。
この章句が説くこと
雌伏飛躍時運修養処世
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