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酔古堂剣掃 / 集峭・達人は手を懸崖に撒つ

達人撒手懸崖,俗子沈身苦海。

書き下し

達人は手を懸崖に撒ち、俗子は身を苦海に沈む。

現代語訳

道に通じた人は切り立った崖の上でつかまっていた手を放し、俗人はその身を苦しみの海に沈めています。

解説

執着を手放せるかどうかで、達人と俗人を分けた対句です。撒手懸崖は禅の言葉「懸崖に手を撒す」に基づき、崖にぶら下がってしがみついている手を思い切って放すことです。命がけで執着を断ち切ったとき、かえって新しい生が開けるという意味で用いられます。苦海は仏教の言葉で、生死の苦しみが果てしなく広がるこの世を海にたとえたものです。手を放せない者は、しがみついたまま苦しみの海に沈んでいくことになります。今の暮らしでも、失うのが怖くて手放せないものが、かえって自分を苦しめていることがあります。思い切って手を放す勇気が、新しい道を開くこともあるでしょう。

この章句が説くこと

放下執着苦海達人

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