酔古堂剣掃 / 集峭・寧ろ蘭摧け玉折るると為る
寧為蘭摧玉折,不作蕭敷艾榮。
新字:寧為蘭摧玉折,不作蕭敷艾栄。
書き下し
寧ろ蘭摧け玉折るると為るとも、蕭敷き艾榮ゆると作らず。
現代語訳
むしろ蘭のように砕け、玉のように折れて果てるほうがましです。よもぎのようにはびこって栄えることはしたくありません。
解説
『世説新語』に見える、晋の毛伯成の言葉です。才気を自負していた彼は、常にこう言っていたと伝えられます。蘭と玉は高潔な人物のたとえ、蕭と艾はよもぎの類で、どこにでもはびこる雑草、つまり凡庸で節操のない人のたとえです。敷はしき広がること、榮は茂ることです。高潔さを保って砕けるほうが、節を曲げて長く栄えるよりよい、という激しい気概の言葉で、「瓦全より玉砕」という言い方にも通じます。今日では命を粗末にする意味に取る必要はありませんが、自分が譲れない一線を持つことの大切さを教えてくれます。流されて栄えるより、筋を通したいと思う場面は誰にもあるでしょう。
この章句が説くこと
気骨節操高潔処世世説新語
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