酔古堂剣掃 / 集情・別に風流の眼波に上る有り
從教弄酒春衫涴,別有風流上眼波。
新字:従教弄酒春衫涴,別有風流上眼波。
書き下し
從ひ酒を弄して春衫を涴すとも、別に風流の眼波に上る有り。
現代語訳
たとえ酒に戯れて春の薄衣を汚してしまっても、それとは別に、目もとの波には何とも言えない風情が浮かんでいます。
解説
酒に酔った女性の艶やかさを詠んだ七言の対句です。從教は「たとえ〜しても構わない」という意味の語で、春衫は春に着る薄手の衣、涴は汚すことです。眼波は、波のようにうるんで揺れる眼差しのことで、美しい目もとを言う詩語です。酒をこぼして衣を汚すというしどけない振る舞いも、目もとに漂う風情の前では咎める気になれない、という心持ちが表れています。人の魅力は、整った姿だけでなく、ふとした隙や崩れの中に表れることがあります。完璧でないところにこそ、その人らしさがにじむのかもしれません。人のささいな失敗を大らかに受けとめる余裕も持ちたいものです。
この章句が説くこと
艶麗酒眼差し風流寛容
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