酔古堂剣掃 / 集情・魂有りて紅葉に隨ふ
有魂隨紅葉,無骨鎖連鬟。
新字:有魂随紅葉,無骨鎖連鬟。
書き下し
魂有りて紅葉に隨ひ、骨無くして連鬟に鎖さる。
現代語訳
魂は紅葉に寄り添って流れていき、骨を抜かれたような身は、連なる髷の美しい人に縛られています。
解説
恋に心を奪われたさまを、魂と骨の対で詠んだ五言の対句です。紅葉は、唐の宮女が紅葉に詩を書いて流し、縁を結んだという「紅葉題詩」の話を思わせ、恋の便りの象徴です。連鬟は結い上げて連なった髷で、美しい女性を指します。魂は紅葉を追って流れていき、体は骨を抜かれたように美しい人に縛られて動けない、と恋に囚われた心身を誇張して描いています。有と無、魂と骨、随うと鎖されるという対が引き締まっています。心を奪われると、人は自分の意思で動けなくなります。夢中になることの力と、自分を見失う危うさを、ともに見つめたい一句です。
この章句が説くこと
恋情紅葉魂執着詩情
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