酔古堂剣掃 / 集情・紅葉も亦た媒と為すべし
良緣易合,紅葉亦可為媒;知己難投,白璧未能獲主。
新字:良縁易合,紅葉亦可為媒;知己難投,白璧未能獲主。
書き下し
良緣は合ひ易く、紅葉も亦た媒と為すべし;知己は投じ難く、白璧も未だ主を獲る能はず。
現代語訳
良い縁は結ばれやすいもので、紅葉でさえ仲人になることができます。けれども自分を分かってくれる人にはなかなか出会えず、白い宝玉でさえまだ持ち主を得られずにいます。
解説
男女の縁の結ばれやすさと、知己に出会うことの難しさを対比した一則です。紅葉を媒とするは、唐の宮女が紅葉に詩を書いて宮中の溝に流し、それを拾った男とのちに結ばれたという「紅葉題詩」の話を踏まえます。白璧は傷のない白い宝玉で、優れた才能のたとえです。春秋の卞和が名玉を献じても二度まで石と疑われた話のように、才ある者がそれを見抜く主に出会うのは難しいものです。恋の縁は偶然でも結ばれるのに、心から理解し合える人には容易に出会えない、という対比に作者の嘆きがにじみます。自分を分かってくれる一人を大切にしたいものです。
この章句が説くこと
知己良縁紅葉才能交友
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