酔古堂剣掃 / 集情・雨は窻前に到りて夢に滴る
花飛簾外憑牋訊,雨到窻前滴夢寒。
新字:花飛簾外憑牋訊,雨到窓前滴夢寒。
書き下し
花は簾外に飛びて牋に憑りて訊ひ、雨は窻前に到りて夢に滴りて寒し。
現代語訳
花が簾の外に舞い散るころ、便箋に託して相手の様子を尋ね、雨が窓辺に降ってくると、滴る音が夢の中まで冷たくしみ込みます。
解説
離れて暮らす恋人を思う、晩春の一夜を描いた対句です。牋は手紙を書く用紙、訊は安否を問うことです。前半では散る花に季節の移ろいと会えない時の長さを感じ、せめて手紙で相手の様子を尋ねます。後半では窓を打つ雨音が眠りの中にまで入り込み、夢さえも冷たく寂しいものにしてしまいます。花と雨、昼と夜、手紙と夢という対比の中に、会えないもどかしさが静かに流れています。今は手紙の代わりにすぐ連絡が取れますが、便りを待つ時間が思いを深くすることもあります。一通の言葉を丁寧に書く大切さを思い出させる句です。
この章句が説くこと
恋情手紙晩春夢離別
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