酔古堂剣掃 / 集情・休文の腰瘦す
休文腰瘦,羞驚羅帶之頻寬;賈女容銷,懶照蛾眉之常鎖。
新字:休文腰痩,羞驚羅帯之頻寛;賈女容銷,懶照蛾眉之常鎖。
書き下し
休文は腰瘦せ、羅帶の頻りに寬きに羞ぢ驚く;賈女は容銷え、蛾眉の常に鎖すを照らすに懶し。
現代語訳
沈約(字は休文、南朝梁の文人)は腰が痩せ、薄絹の帯がしきりに緩くなるのに恥じ入り驚きます。賈充の娘(晋の賈午)はやつれて、いつもひそめたままの眉を鏡に映す気にもなれません。
解説
恋のやつれを、男と女の故事で対にした一則です。前半の休文は南朝梁の文人沈約の字で、友人の徐勉に宛てた手紙で、病み衰えて革の帯の穴をたびたび詰めていると書いたことから、「沈腰」は痩せ細ることのたとえになりました。後半の賈女は晋の賈充の娘で、父の部下の韓寿に恋をし、父の秘蔵の香を贈ったという「偸香」の話で知られます。蛾眉は細く美しい眉、鎖すはひそめることです。思いが募ると、人は自分の姿にさえ構わなくなります。心の状態が体や身なりに表れるのは今も同じで、身近な人のやつれに気づく目を持ちたいものです。
この章句が説くこと
恋情沈腰偸香憂愁容貌
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