酔古堂剣掃 / 集情・東隣の巧笑、西子の微顰
東隣巧笑,來侍寢於更衣;西子微顰,將橫陳於甲帳。
新字:東隣巧笑,来侍寝於更衣;西子微顰,将横陳於甲帳。
書き下し
東隣の巧笑は、來りて寢に更衣に侍し、西子の微顰は、將に甲帳に橫陳せんとす。
現代語訳
東隣の娘のような愛らしい笑顔の人が、更衣の間で天子のおそばに仕え、西施のようにかすかに眉をひそめた美女が、甲帳(漢の武帝の豪華な帳)のうちに身を横たえようとしています。
解説
後宮に集う美女たちを、名高い美人の故事で描いた対句で、玉臺新詠の序と重なります。東隣は、宋玉が天下一の美女は自分の家の東隣の娘だと述べた話によります。更衣は着替えの部屋で、漢の武帝がそこで衛子夫に目をとめた故事を踏まえます。西子は西施で、胸を病んで眉をひそめる姿さえ美しかったと伝えられます。甲帳は武帝が宝玉で飾った帳です。艶やかな場面ですが、描かれているのは実在の故事を織りこんだ言葉の技です。美しさの表し方にも、笑顔の美と憂い顔の美という対比があり、人の魅力が一つの形に限られないことを教えてくれます。
この章句が説くこと
美人情故事宮廷文学
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