酔古堂剣掃 / 集情・明彩を宵波に泛ぶ
對粧則色殊,比蘭則香越,泛明彩於宵波,飛澄華於曉月。
新字:対粧則色殊,比蘭則香越,泛明彩於宵波,飛澄華於暁月。
書き下し
粧に對すれば則ち色殊なり、蘭に比すれば則ち香越ゆ、明彩を宵波に泛べ、澄華を曉月に飛ばす。
現代語訳
化粧した人と比べれば色が一段と際立ち、蘭と比べれば香りがまさっています。明るい彩りを夜の波に浮かべ、澄んだ輝きを明け方の月に向かって飛ばします。
解説
花の美しさをたたえた賦の一節とみられる一則です。化粧した美人よりも色が鮮やかで、香りの王とされる蘭よりも香り高いと、二つの比較で美しさの格を示しています。後半は、その花の輝きが夜の水面に映り、明け方の月の光とともに澄んだ光を放つ様子で、水辺に咲く花、たとえば蓮のような姿が思い浮かびます。明彩は明るい色彩、澄華は澄みきった輝きです。比べる相手を最上のものにすることで、ほめ言葉は力を持ちます。人をほめるときも、ただよいと言うより、何と比べてどうよいのかを言えると、心に響く言葉になります。
この章句が説くこと
美花風雅自然文学
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