酔古堂剣掃 / 集情・忽ち狂言を發して滿座を驚かす
華堂今日綺筵開,誰喚分司御史來,忽發狂言驚滿座,兩行紅粉一時回。
新字:華堂今日綺筵開,誰喚分司御史来,忽発狂言驚満座,両行紅粉一時回。
書き下し
華堂今日綺筵開く、誰か分司御史を喚びて來らしむ、忽ち狂言を發して滿座を驚かし、兩行の紅粉一時に回る。
現代語訳
華やかな広間で今日、豪華な宴が開かれました。いったい誰が分司御史(洛陽駐在の監察官である私)を呼んできたのでしょう。私がいきなりとんでもないことを言い出して満座を驚かせると、両側に並んだ歌姫たちが一斉にこちらを振り向きました。
解説
晩唐の詩人杜牧の、宴席での逸話を伝える詩です。杜牧は監察の役人として洛陽にいたころ、豪勢な宴を開く李司徒の屋敷に招かれ、紫雲という名の評判の歌姫はどの人かと尋ね、ぜひ自分にくださいと言い放ったため、座が驚き歌姫たちが振り向いたと本事詩に伝わります。監察官という堅い役職の者が、宴席で型破りなことを言う落差が痛快です。風流を愛した杜牧らしい大胆さとユーモアがあります。場の空気を読むことは大切ですが、ときには率直な一言が場を生き生きとさせることもあります。その一言に品と愛嬌があるかどうかが分かれ目です。
この章句が説くこと
情風流宴席率直詩
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