酔古堂剣掃 / 集情・背地の風波
當場咲語,盡如形骸外之好人;背地風波,誰是意氣中之烈士。
新字:当場咲語,尽如形骸外之好人;背地風波,誰是意気中之烈士。
書き下し
場に當りての咲語は、盡く形骸外の好人の如く、背地の風波には、誰か是れ意氣中の烈士ならん。
現代語訳
面と向かったときの笑い話では、誰もが形にとらわれない気のいい人のように見えますが、陰で騒ぎが起こったとき、誰が本当に心意気のある立派な人物と言えるでしょうか。
解説
表と裏で態度の変わる人の世の友情を、辛辣に見抜いた一則です。咲は笑の古い字で、當場咲語はその場での談笑です。形骸外の好人とは、体裁にこだわらないさっぱりした人ということです。背地は陰、裏側のことで、風波は争いや騒動を指します。烈士は信義を貫く気骨ある人物です。宴席で気前よく笑い合っていた人たちが、いざ困ったことが起きると陰で態度を翻す、という経験は今も珍しくありません。本当の友や仲間は、平穏なときではなく風波のときに分かります。自分自身も、陰で人の味方になれる人でありたいものです。
この章句が説くこと
交友信義人情処世友情
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