酔古堂剣掃 / 集情・越艷西施化して土と爲る
吳妖小玉飛作煙,越艷西施化為土。
新字:呉妖小玉飛作煙,越艶西施化為土。
書き下し
吳妖の小玉は飛びて煙と作り、越艷の西施は化して土と爲る。
現代語訳
呉の妖しいほど美しい小玉(呉王夫差の娘)は飛んで煙となり、越の艶やかな西施も朽ちて土となりました。
解説
どれほどの美女も時の流れには勝てないことを詠んだ対句です。小玉は呉王夫差の娘紫玉のことで、恋に破れて亡くなった後、恋人の前に姿を現し、母が抱きしめようとすると煙のように消えたという話が搜神記に伝わります。西施は越から呉に送られた絶世の美女です。呉と越という因縁の二国の美女を並べ、一人は煙に、一人は土に帰ったと結ぶことで、美もまた無常であることを示しています。美しさや若さ、名声といったものに執着しすぎず、いま目の前にある時間を大切に味わうことの大切さを、静かに教えてくれる句です。
この章句が説くこと
無常美人情歴史執着
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