酔古堂剣掃 / 集情・三友遞ひに相引く
琴罷輒舉酒,酒罷輒吟詩,三友遞相引,循環無已時。
新字:琴罷輒舉酒,酒罷輒吟詩,三友逓相引,循環無已時。
書き下し
琴罷めば輒ち酒を舉げ、酒罷めば輒ち詩を吟ず、三友遞ひに相引き、循環して已む時無し。
現代語訳
琴を弾き終えるとすぐに酒の杯を挙げ、酒を飲み終えるとすぐに詩を吟じます。この三人の友が代わる代わる互いを引き寄せ合い、ぐるぐるめぐって終わる時がありません。
解説
唐の白居易の詩「北窓の三友」の一節をそのまま採った一則です。三友とは琴と酒と詩のことで、白居易はこれを北の窓辺で自分を慰めてくれる三人の友と呼びました。琴を弾けば酒が欲しくなり、酒を飲めば詩が浮かび、詩を吟じればまた琴を弾きたくなる。こうして三つの楽しみが輪のようにめぐり、尽きることがないというのです。逓は代わる代わる、循環はぐるりとめぐることを言います。人の友でなく、趣味や楽しみを友と呼ぶところに、独りの時間を豊かに過ごす文人の知恵が見えます。一つの楽しみが次の楽しみを呼ぶような趣味の組み合わせを持つと、独りの時間も退屈しないものです。
この章句が説くこと
風雅琴詩閑適趣味
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