酔古堂剣掃 / 集情・愁霜鬢根を壓す
悲火燃心曲,愁霜壓鬢根。
新字:悲火燃心曲,愁霜圧鬢根。
書き下し
悲火心曲を燃やし、愁霜鬢根を壓す。
現代語訳
悲しみの火が胸の奥を燃やし、愁いの霜が鬢の根もとに重くのしかかります。
解説
悲しみを火に、愁いを霜にたとえた十字の対句です。心曲は心の奥底、鬢根は耳際の髪の生え際を言います。前半は内側で燃える悲しみ、後半は白髪となって外に現れる愁いを描いています。愁霜は、愁いのあまり髪が霜のように白くなることを表し、唐の李白の「白髪三千丈、愁ひに縁りて箇くの似く長し」にも通じる発想です。火と霜という熱と冷たさの正反対のものが、同じ一人の身を苦しめるところに、悲しみの深さが感じられます。集情の少し前にもよく似た句があり、同じ嘆きを言葉を替えて重ねています。長い心労は体に表れるものです。つらい思いを一人で抱え込みすぎないようにしたいものです。
この章句が説くこと
情悲しみ白髪愁い心労
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