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酔古堂剣掃 / 集情・丁香空しく結ぶ雨中の愁ひ

豆蔻不消心上恨,丁香空結雨中愁。

書き下し

豆蔻は心上の恨みを消さず、丁香は空しく雨中の愁ひを結ぶ。

現代語訳

豆蔻(香りのよい薬草)は胸の上の恨めしさを消してはくれず、丁香の蕾はむなしく雨の中の愁いを結んでいます。

解説

二つの香草を並べて、晴れない思いを詠んだ対句です。豆蔻は香りのよい薬草で、胸のつかえを消すとされましたが、心のつかえまでは消してくれないというのです。また唐の杜牧が年若い娘を豆蔻の花にたとえたことから、若い女性の面影も重なります。丁香の花は蕾が固く結んだ形をしているので、ほどけない愁いのたとえとされました。後半の句は、南唐の中主李璟の詞の「丁香空しく結ぶ雨中の愁ひ」をそのまま用いたものです。薬も花も心の結ぼれを解いてはくれず、愁いはただ雨の中で固く結ばれたままです。心の重さは、外から何かを与えるだけでは解けないことを感じさせます。
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この章句が説くこと

情愁い香草詩詞心

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