酔古堂剣掃 / 集情・㸃㸃愁ひを生ず
五更三四㸃,㸃㸃生愁;一日十二時,時時寄恨。
新字:五更三四点,点点生愁;一日十二時,時時寄恨。
書き下し
五更三四㸃、㸃㸃愁ひを生ず。 一日十二時、時時恨みを寄す。
現代語訳
夜の五更に時を告げる太鼓の三つ四つ、その一打ちごとに愁いが生まれます。一日十二の時刻、その一刻ごとに恨めしい思いを託します。
解説
時の刻みそのものを、恋しさの刻みに変えた対句です。昔の中国では夜を五つの更に分け、さらにそれを点に分けて太鼓や鐘で時を知らせました。一日は十二の時辰に分けられていました。眠れない夜、時を告げる音が一つ鳴るたびに愁いが湧き、昼も夜も一刻ごとに相手への思いを寄せるというのです。点点、時時と同じ字を重ねる表現が、途切れずに続く思いのリズムを伝えています。恨はここでは憎しみではなく、会えないことのやるせなさを言います。時計の音がやけに大きく聞こえる夜は、誰にでもあるでしょう。時間の感じ方は、心のありようで大きく変わるものです。
この章句が説くこと
情愁い時間恋慕夜
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