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酔古堂剣掃 / 集情・世に花月美人無くんば

世無花月美人,不願生此世界。

書き下し

世に花月美人無くんば、此の世界に生まるるを願はず。

現代語訳

もしこの世に花と月と美人がなかったら、私はこの世界に生まれたいとは思いません。

解説

美しいものへの愛を、極端な言い方で宣言した一則です。花と月は自然の美、美人は人の美の代表で、これらがなければこの世に生まれてくる甲斐がないとまで言い切っています。清の張潮の『幽夢影』にも花と月と美人を並べて愛でる言葉が多く見られ、美しいものを人生の意味の中心に置く明末清初の文人の感性がよく表れています。大げさに聞こえますが、裏返せば、美しいものに心を動かされることこそが生きる喜びだという主張です。忙しい毎日の中でも、花の色や月の光に足を止める余裕を持つことが、生きている実感を取り戻す手がかりになります。

この章句が説くこと

風雅自然花月

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