酔古堂剣掃 / 集醒・隱衷釋然たれば夢寐も清楚
名心未化,對妻孥亦自矜莊;隱衷釋然,即夢寐皆成清楚。
新字:名心未化,対妻孥亦自矜荘;隠衷釈然,即夢寐皆成清楚。
書き下し
名心未だ化せざれば、妻孥に對しても亦た自ら矜莊す。 隱衷釋然たれば、即ち夢寐も皆清楚と成る。
現代語訳
名誉を求める心がまだ消えていなければ、妻や子に向かってさえ、自分を取り繕ってもったいぶってしまいます。胸の奥のわだかまりがすっかり解ければ、眠って見る夢までもみな清らかではっきりしたものになります。
解説
名誉心とわだかまりが、人の最もくつろいだ場面にまで影を落とすことを述べた対句です。名心は名誉を求める心、矜荘は取り澄まして威厳を装うことで、妻孥は妻と子を言います。名を気にする心が残っている人は、家族の前でさえ格好をつけ、素の自分に戻れません。隠衷は胸に秘めた思いや悩み、釈然はそれが解けてすっきりすることです。心のわだかまりが解ければ、眠りの中まで澄みわたります。人は外では取り繕えても、家庭や眠りの中では本当の心が表れるというのです。家族の前で肩の力を抜けているか、夜ぐっすり眠れているかは、心の状態を測るよい目安になります。
この章句が説くこと
名利家庭心自然体修身
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