呻吟語 / 内篇・存心・天地間の真滋味は、惟だ靜者のみ嘗め得出だす
天地間真滋味,惟靜者能嘗得出;天地間真機括,惟靜者能看得透;天地間真情景,惟靜者能題得破。作熱鬧人,說孟浪語,豈無一得?皆偶合也。
新字:天地間真滋味,惟静者能嘗得出;天地間真機括,惟静者能看得透;天地間真情景,惟静者能題得破。作熱鬧人,説孟浪語,豈無一得?皆偶合也。
書き下し
天地間の真滋味は、惟だ靜者のみ能く嘗め得出だす。天地間の真機括は、惟だ靜者のみ能く看得透す。天地間の真情景は、惟だ靜者のみ能く題得破る。熱鬧の人と作り、孟浪の語を說くも、豈に一得無からんや。皆偶合なるのみ。
現代語訳
天地のあいだの本当の味わいは、静かな者だけが味わい出せます。天地のあいだの本当の仕掛けは、静かな者だけが見通せます。天地のあいだの本当の情景は、静かな者だけが言い当てられます。にぎやかな人になって、いい加減な言葉を口にしても、まぐれ当たりが一つもないことはないでしょう。しかしそれはみな偶然の一致にすぎません。
解説
静かでなければ得られないものが三つ挙げられます。本当の味わい、本当の仕掛け、本当の情景。味わうこと、見通すこと、言い当てること、と三つの動詞がきれいに揃っています。そして最後に、にぎやかな人のまぐれ当たりが切り捨てられる。当たることはあっても偶然にすぎない、と。前に出てきた、心を通っていない経験は成長にならないという指摘と、同じ考え方です。
この章句が説くこと
静滋味機括情景偶合
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