呻吟語 / 内篇・存心・靜裡に物欲を看るは、業鏡の妖を照らすがごとし
靜裡看物欲,如業鏡照妖。
新字:静裡看物欲,如業鏡照妖。
書き下し
靜裡に物欲を看るは、業鏡の妖を照らすがごとし。
現代語訳
静けさの中で物欲を見つめるのは、業の鏡が妖しいものの正体を映し出すようなものです。
解説
業鏡は地獄で生前の行いを映すとされる鏡で、妖怪が姿を変えていても正体が映るとされます。静かなときに欲を見つめると、その正体が見えてしまう、と。騒がしいときには必要に見えていたものが、静けさの中では欲の形をして現れるという体験を、たった十二字で言い当てています。前に置かれた静の一連の段の、締めくくりにふさわしい一句です。
この章句が説くこと
静物欲業鏡正体露見
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